アゾ基(染料・顔料)を含む、複写撮影写真の色
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①. アゾ染料とは、分子内にアゾ基(-N=N-)をもった有機化合物で、日本国内では長年、法規制が無いため、染料及び顔料として多くの商品に用いられていたが、2016年4月1日から法規制が施工された。ドイツを始めとするヨーロッパや中国では、法律規制が行われている。
参照リンク:【特定芳香族アミン類の分析 | 一般財団法人カケンテストセンター
平成28年4月1日から家庭用品規制法における特定芳香族アミンを容易に生成するアゾ染料の規制:厚生労働省】

②. 日本においては食品添加物規制のみで、絵の具をはじめ、多くの布地等にも使用され、乳幼児の玩具(積み木)や衣類など口に付けるものにも使われている。発がん性が指摘されている物質でもあり、具体的法規制の実施は勿論、安全な商品流通が望まれる。消費者としては、規制国に輸出可能な商品か否か、情報提供があるメーカーの商品選択が一つの目安となる。

参考:ドイツに本社がある世界企業・ファーバーカステルの商品は、ドイツ基準をクリアーしている。
ファーバーカステル ポリクロモス色鉛筆 120色セット 木箱 110013 [日本正規品]
ファーバーカステル アルブレヒト デューラー水彩色鉛筆 120色セット 木箱 117513 [日本正規品]

③. 【アゾ基(染料・顔料)を含んだ複写撮影の色】
 アゾ染料(顔料)を含んだ絵の具で描かれた絵画や商品を撮影した際、グリーン系の色がグレーや赤茶色に写ってしまうことがある。
 原因として、光源(太陽やカラーコピーランプ、ストロボ等)が有している近赤外線を反射するための影響と、多くの媒体で記述されていて、反射を除去するフィルター等も販売されている。実際に、何種類かの近赤外線除去フィルターを用いテスト撮影を行ったが、色見は正常に再現されなかった。デジタルカメラの複写撮影の場合も、標準グレー反射板、ホワイト、ブラックのカラーチャート補正でも、肉眼と同等な発色は得られなかった。一般の絵の具が、正常に再現されるなか、アゾ染料(顔料)部分のみ変色する結果となった。
参照:下写真(B)

パステル画 Copyright かげひらようこ
←写真(B)
 カラーコピーランプ光源下、DRフィルター、 色温度補正フィルター、色補正フィルター等 を用いて複写撮影。

 カラーチャートの発色が正常に出る、 通常の複写撮影で、色が大きく変化した。

 スキャナーで直接読み取って、カラー補正
しても写真(A)のような色は出ない。

絵画WEB掲載・著作権者承諾済み 禁・無断転載
 

④. 色々調べている過程で、
引用:「長波長の光を吸収するので、可視部の光の吸収が起こり着色して見えるようになる。」と、
記されていた。引用先リンク:【愛知県総合教育センター・アゾ染料の合成
この情報を検証すべく、実際に近赤外線を発生しない特殊光源下にて複写撮影を行った。
参照:下写真(A)

パステル画 Copyritht かげひらようこ・転載厳禁
絵画WEB掲載・著作権者承諾済み 禁・無断転載

←写真(A)

 特殊光源下、数回のテスト撮影を経て、色温度補正フィルターや色補正フィルターを用い、肉眼で見た色とほぼ同様となるようにポジフィルム撮影。

 カラーチャートは勿論、パステルの発色まで、ほぼ忠実再現されている。

 

⑤. ご自分で複写撮影を行ってみると、結構難しい撮影であることが理解出来ると思います。
 美術作品の複写についてもご参照され、プロに複写撮影を依頼するのも宜しいかと思います。

縄田賴信写真家事務所でも使用している

2021年1月7日更新


 
 
 
 
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