デジタルカメラによる絵画複写撮影アドバイス
ロゴ宝泉堂なわたよりのぶ写真家事務所

自らデジタルカメラで撮影され、展示会用DMはがきの写真原稿として入稿される
お客様が増えています。中には、印刷原稿として使えないものも有ります。
下記アドバイスを、ご参照されますようお願い申し上げます。

①. 複写に用いるデジタルカメラは、400万画素相当以上のものをご利用下さい。はがき写真面・全面写真の場合、作品トリミングを考慮すると500万画素以上が理想です。

②. 複写撮影は、照明設備の無い一般家庭では、窓側周辺の場所で、白いシーツや大きな白い紙の上に、光が作品にほぼ均等に照射されるようにキャンバスを配置します。正確な色が再現されるように、ファインダー内・余白部分にカラーセパレーションの
 【白】【黒】及び【標準グレーカード18%反射率】を配置し、キャンバス作品と一緒に撮影します。
 【白】【黒】及び【標準グレーカード18%反射率】が写っていると、パソコンの画像処理にて、露出過不足やカラーバランスなどの簡易補正が可能となります。

③. 絵画作品の中央・直角線上に、カメラレンズがくるように三脚でカメラを固定します。キャンバス全体が正しく長方形に収まるように、三脚位置を前後左右上下に移動したり、ズーム機能で微調整を行って下さい。
  35mm一眼レフカメラ・65mm相当に匹敵する、標準よりも若干・望遠気味のズーム位置が、画像歪みが少なくなります。

④. デジカメ(一般機種)には、レリーズがありません。シャッターをセルフタイマーにセットし、フラッシュは【OFF】で撮影して下さい。

⑤. 明るい色の部分(白色系)が多い絵柄や、暗い色の部分(黒色系)が多い絵柄は、露出アンダーや露出オーバーとなります。最適露出となるように、段階補正で撮影を! デジカメの場合も、露出オーバーでは修復不可能となります。晴天時の、日の出後2時間~日没2時間前までの撮影が理想です。

⑥. 一般デジタルカメラの多くの機種は、撮影されたデータをJPEG形式で保存されます。JPEG形式では、保存を繰り返すとデータ品質の劣化が生じます。撮影されたままの状態のデータを、撮影原稿としてご持参下さい。
  トリミングや画像処理は、専用ソフトAdobe Photoshop CCと、高性能カスタマイズMacProにて行います。下記ディスプレイ・モニターをお客様と一緒に確認しながらの、詳細な画像補正も可能です。RGBデータは、印刷仕様のYMCKデータへ変換します。RGB ⇒ CMYK変換に伴う色変化補正を実施しています。

 ※ワンポイント
 お手持ちのカメラのカラー空間設定(Adobe-RGB)RAW(生)にて複写撮影され、その未現像データを作品と一緒にご持参されると、再現色領域がJPEG(sRGB)に比べて広く良好な結果となります。赤色系(人物)写真の場合は、sRGB、Adobe RGB共にほぼ同一のカラー領域です。しかし、緑色~青色(風景自然写真)の範囲は、sRGBが極端に少なくなっています。特に、緑色領域では、再現可能な範囲が極端に低くなっています。即ち、緑色や青色が多数含まれる風景写真の場合、sRGBではなく、Adobe RGB処理でなければ、撮影時のカラーは再現されません。色空間などの解説・説明は、 index解説をご参照下さい。

⑦. デジタルカメラで撮影された写真を、プリント(アナログ変換)して原稿にされると、スキャニング(デジタル再変換)するため、品質が極端に劣化します。デジタル写真データは、デジタルのままご持参下さい。

⑧. ご自分で複写撮影を行ってみると、結構難しい撮影であることが理解出来ると思います。
 美術作品の複写についてもご参照され、プロに複写撮影を依頼するのも宜しいかと思います。

縄田賴信写真家事務所でも使用している
2021年1月7日更新
 

 
 
 
 
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